毎年、お正月を過ぎると、「春の七草」という言葉を聞くようになります。
春ということは、他にも夏、秋、冬もあるのでしょうか?
でそれぞれにお粥が・・・?
1.春の七草で七草粥
七草粥は1月7日の「人日(じんじつ)」の日に行われる「人日の節句」の行事で、五節句のひとつだそうです。
七草は、早春にいち早く芽吹くことから邪気を払うといわれ、
そこで、無病息災を祈って七草粥を食べるのです。
古くはまな板の上で、草をトントン叩いて刻むその回数も決められていたとか。
七草はいわば日本のハーブ、そのハーブを胃腸に負担がかからないお粥で食べようというのですから、
正月疲れが出はじめた胃腸の回復にはちょうどよい食べものです。
また、あっさりと仕上げたお粥は、少し濃い味のおせち料理がつづいたあとで、とても新鮮な味わいです。
春の七草とは
1セリ(芹)・・・水辺の山菜で香りがよく、食欲が増進。
2ナズナ(薺)・・・別称はペンペン草。江戸時代にはポピュラーな食材でした。
3ゴギョウ(御形)・・・別称は母子草で、草餅の元祖。風邪予防や解熱に効果がある。
4ハコベラ(繁縷)・・・目によいビタミンAが豊富で、腹痛の薬にもなった。
5ホトケノザ(仏の座)・・・別称はタビラコ。タンポポに似ていて、食物繊維が豊富。
6スズナ(菘・鈴菜)・・・蕪(かぶ)のこと。ビタミンが豊富。
7スズシロ(蘿蔔・清白)・・・大根(だいこん)のこと。消化を助け、風邪の予防にもなる。
2.夏の七草とは
夏の七草には後述の二種類がある。
①昭和初期に勧修寺経雄が詠んだ和歌「涼しさは よし い おもだか ひつじぐさ はちす かわほね さぎそうの花」による夏の七草
1よし(葦)
2い(藺)
3おもだか(沢瀉)
4ひつじぐさ(未草)
5はちす(蓮)
6かわほね(河骨)
7さぎそう(鷺草)
②1945年6月20日、日本学術振興会学術部・野生植物活用研究小委員会が、戦時中の食糧難の時節にも食べられる植物として、以下の7種類を「夏の七草」に選定している
1あかざ(藜)・・・畑や空地などに多く、葉はゆでて食べる。ホウレンソウ系の味。
2いのこづち(猪子槌)・・・日のあまり当たらない場所にいる。
3ひゆ(?)・・・ハゲイトウ(葉鶏頭)
4すべりひゆ(滑?)・・・道端や畑などで、地を這って分枝。葉は長円形の多肉質で互生、ぬめりがあります(食べるとリンゴ酸の酸味もあるようです)。
5しろつめくさ(白詰草)・・・クローバーです。花期は春から秋。自生環境は、野原や荒れ地、公園にもよくありますね。
6ひめじょおん(姫女?)
7つゆくさ(露草)・・・下痢止め、解熱などに用いられるようです。
3.秋の七草とは
秋の野の花が咲き乱れる野原を「花野」(はなの)といい、花野を散策して短歌や俳句を詠むことが古来より行われていた。
1おみなえし(女郎花)
2おばな(尾花)・・・・ススキ
3ききょう(桔梗)
4なでしこ(撫子)
5ふじばかま(藤袴)
6くず(葛)
7はぎ(萩)
3.冬の七草とは
冬の七草については諸説あって明確なものはないのですが、一例として以下のものがあります。
「運盛り」は縁起かつぎだけでなく、栄養のある食べ物を食べて寒い冬を乗りきるための知恵でもあります。
1カボチャ(なんきん)
2レンコン(れんこん)
3人参(にんじん)
4銀杏(ぎんなん)
5金柑(きんかん)
6寒天(かんてん)
7うどん(うんどん)
まとめ
残念ながらお粥は春だけみたいですね。一番おいしそうなのは冬ですが。